こんなに愉快な洋書は読んだことがない!Bill Bryson
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ビル・ブライソン
ビル・ブライソン氏は英語圏では著名なノンフィクション作家です。
自身の旅行をつづったエッセイや、科学、歴史に関する著作が多いのが特徴です。
なぜおすすめするかと言うと、私が個人的に彼の作品のファンだからです。英語圏にもファンがたくさんいます。
彼の書籍は本当におもしろいです。日本であまり名前が知られていないのが残念でなりません。
ユーモアのセンスがすばらしい
彼の文章はユーモアであふれています。
旅行をつづったエッセイは現地でのハプニングなどが多く記述されていますが、どれもいささか表現がオーバーです。
はっきり言ってあり得ないようなエピソードも多いですが、それがまたおもしろいのです。
日本人の英語学習者は、ジョークを言うときに安っぽい下品な言葉に走る傾向がありますが、そういう人たちにはぜひブライソン氏の本を手にとってもらいたいです。
初学者必見!FUCK という単語は最高のタブー 絶対に使用してはいけない理由
彼の作品を読んでいると「英語をこのように使用することで、無味乾燥とした単語がこれほどまでにおもしろさを持つようになるのか」と、つくづく感心させられます。
ビル・ブライソン氏のおすすめの著作
前もって言っておきますが、彼の文章は総じて英検1級より難易度が高いです。英語学習者向けに書いた本ではないので、当たり前といえば当たり前です。
ただし文章自体はわりと読みやすいという印象があります。
では3冊ほど紹介します。
A Short History of Nearly Everything
まずはじめは『A Short History of Nearly Everything』です。
「科学というテーマで、今までの歴史をひとまとめに全て述べてしまおう」という壮大な試みです。
あまりのおもしろさに、私は複数回読んでいます。
この作品は科学を扱った作品で特に優れたものに与えられるアヴェンティス賞を受賞しています。
この本のいいところは、科学という難しいテーマを誰もが気軽に楽しんで読めるよう工夫されているところです。
ぜひ読んでみてください。本物の名著です。
A Walk in the Woods
次は『A Walk in the Woods: Rediscovering America on the Appalachian Trail』です。
アパラチアン・トレイルと呼ばれるアメリカ東部の山脈を、ひとりの友人とともにハイキングするという一種の旅行記のような作品です。
ブライソン氏の書籍全般に言えることですが、彼の旅行記は単なる日記ではありません。歴史の解説書であり、環境問題への提言であり、友人との人間関係を記したものです。
それらを彼独特のユーモアを交えて解説していくのです。こちらの本で彼の作品のファンになったという人もいると思います。
ちなみに「ロング・トレイル!」という題名で映画化もされているので、知っている人もいるかもしれません。
おすすめの一冊です。
The Life And Times Of The Thunderbolt Kid
最後は『The Life And Times Of The Thunderbolt Kid: Travels Through my Childhood』です。
2016年アメリカ大統領選にて共和党代表として立候補したドナルド・トランプ氏の合言葉は「Make America Great Again」でした。
トランプ氏はロナルド・レーガン時代のアメリカを想像しているらしいですが、このセリフはそのレーガン元大統領が使用していたキャッチフレーズです。
ということはレーガン時代よりさらに前にアメリカの黄金期が存在していたということです。
人によってはその時代はズレるかもしれませんが、一般的に戦後間もない1950年代のアメリカは特筆して活気に満ちていたとされています。
この作品はその1950年代に幼少期を過ごしたブライソン氏の伝記的な作品です。
子どもならではの無邪気な世界観や、冷戦当時のアメリカ人の核戦争に対する見方などが明瞭に伝わってきます。
こちらもユーモアたっぷりで読者を飽きさせないストーリー展開になっています。
過去のアメリカ合衆国を知るにもいい作品です。興味のある方は一度読んでみてはいかがでしょうか。