例文で説明!仮定法における Hope と Wish の違いとその使い分け
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Hope
未来の事柄に対しての望み
hope は「現実として可能性のある事柄に対してのあなたの望み」を表します。
現実的な話を対象とするので、すでに過ぎ去った過去のことではなく、これからやって来る未来のことに対しての表現として使用されます。
以下のようなケースです。
I hope to see you next week.
来週あなたに会いたい。
以下のような言い方もします。
I hope you get well soon.
あなたの健康がすぐによくなることを願います。
これに関しては「健康がよくなる」と未来のこと言っているので、
と will をつけてもよさそうな気がします。
実際問題としてそのような言い方をしても文法的に問題はありませんが、このセンテンスの焦点は hope(願う)であり、そのように願っているのは会話をしているその時点なので未来ではなく現在であるという考えになります。
ネイティブの間でも議論になることがありますが、ここは単純に I hope you do… というように hope の後は現在時制がくると覚えてしまったほうがすっきりしていい思います。
実際にほとんどのケースでは I hope you get well soon であって、will をつけるということはほとんどありません。
単純に、
のみで済ませるケースも多いのが実情です。
その性質上、to を使用する動詞は未来の事柄を扱うものが多いです。例としては以下のような動詞があります。
- want
- decide
- expect
- offer
- intend
過去の出来事に対する望み
hope は「過去に実際に起こった出来事に対してのあなたの望み」を表現します。
以下のようなケースです。
I hope you enjoyed it.
楽しんでくれたのであれば、よかったですが。
これはほとんど社交儀礼的なセリフと思ったほうがいいでしょう。
ちなみに以下のような言い方もします。
現在完了形ですね。
「過去形の場合とどう違うのか」と思われたかもしれませんが、実際のところほとんど違いはありません。どちらを使用しても、相手の受け取り方はほぼ同じでしょう。
・・・というと、なにかモヤモヤしたものが残るので簡単に両者の違いを述べると、
- I hope you enjoyed it.
- I hope you have enjoyed it.
①の hope は you が enjoy したということそのものに焦点が当たっています。
②の hope は enjoy したという経験も持つ現在の you の状態に焦点が当たっています。
感情の焦点が微妙に違うということです。どちらを使用しても問題のないレベルでしょう。
では過去形と現在完了形は多く場面でほとんど違いがないかというとそうでもなく、I ate と I have eaten などのように、ニュアンスにはっきりとした相違点が出るケースもあります。
Wish
非現実的な望み
wish は「現実として可能性のない事柄に対してのあなたの望み」を表します。
以下のようなケースです。
I wish I were rich.
金持ちだったらいいのに。
実際は金持ちではないということですね。
以下のようなケースも同様に wish がふさわしいです。
I wish I could speak perfect English.
完璧な英語が話せたらいいのに。
実際は英語は完璧には話せないということです。
本来は were が文法的に正しいです。
どの時点か詳しくは知りませんが was を使用する人たちが増えていき、現在では文法的に正しいという扱いになってしまいました。
本来 was は単純に過去の出来事に対して使用する be動詞なので、were を使用したほうがより非現実性が増します。
会話の中では was で問題ないかもしれませんが、フォーマルな文章では were と記述したほうが無難でしょう。
過去の行いに対しての後悔
wish は「すでに変更の効かない過去の事柄に対しての望み」を表現します。よって多くケースでは過去の行いに対しての後悔を表現する際に使用されます。
以下のようなケースです。
I wish I hadn’t made that decision.
あの決定をしなければよかった。
過去のことを悔いる場合は、had done と過去完了形になります。
以下のようなケースも同様に wish がふさわしいです。
I wish I had started learning English sooner.
もっと早くから英語を習っておけばよかった。
同様に had done です。
Hope と Wish を使用した例文
以下は hope と wish を同時に使用したケースです。
I wish My English were good. But I hope to improve it as soon as I can.
私の英語のスキルが高ければいいのに。だけど少しでも早く上達したいと思う。
現在の英語のスキルは高くないので wish を使用し非現実性を表現します。そして「上達したい」というのは現実的な望みなので hope を使用します。
こうのようにしてみると hope と wish の違いがよく理解できますね。
「なぜ wish のような仮定法を使用する際は、過去形にする必要があるのだ」と思われたかもしれません。
これは人が非現実的なことに対して、空間的な距離を感じるからでしょう。
日本語の仮定法でも「~だったら」と過去形になっていますね。