暇人の英語雑記ブログ

例文で説明!定冠詞 The の簡単な説明とその使い方

2018.08.042016.11.13文法

The と A では文章の意味ががわりと変わる

the と a では文章の意味ががわりと変わります。

a は単純にりんごやコップなど、数えることのできる名詞 (可算名詞) に付けられる冠詞です。

例文で説明!冠詞 A の簡単な説明とその使い方

the は日本語で訳すと「その」となります。

以下のケースで考えてみましょう。

  1. There is a dog.
  2. There is the dog.

1は「一匹の犬がいる」です。

2は「あの犬がいる」もしくは「例の犬がいる」とも訳せるでしょう。

つまり聞き手が、どの犬か認識できる場合に限って the を使用するのです。

これは日本語でも同じですね。唐突 (とうとつ) に「あの犬がいる」と言われても「どの犬の話?」というふうなると思います。

英語もその感覚です。

以下のような使い方もよくします。

Do you remember the house we talked last week?

先週話した家のこと覚えてる?

「家」のことについては、先週話しているので、聞き手はどの家のことか分かるであろうという予測のもとの会話 です。

こういった場合に、

Do you remember a house …
cat-icon

という言い方は不自然です。気をつけましょう。

最後にもうひとつだけ the を使用した例文を紹介します。

open-window

このような会話も頻繁に耳にします。

Can you close the window, please? It’s getting cold here.

窓を閉めてもらってもよろしいですか?寒くなってきました。

その部屋に窓が複数存在していたとしても開いている箇所がひとつの場合、the window と指定されても聞き手はどの窓か混乱はしないですね。

常識的に考えてひとつしか存在しない

誰がどう考えても指し示しているものが明白 は場合は the を付けます。

There is a bird flying across the sky.

空を横切って飛んでいる鳥がいる。

地球上にいる限り、物理的に空はただひとつです。なので the sky となります。

ただし抽象的な表現であれば複数存在するともいえるので、そういった場合には a sky となります。

例文で説明!冠詞 A の簡単な説明とその使い方
2016.11.21
関連記事 例文で説明!冠詞 A の簡単な説明とその使い方
英語の冠詞である A の意味とその使い方を、例文を使いを分かりやすく説明します。

以下のケースでも見てみましょう。

I want to travel around the world.

世界中を旅行したい。

the world、つまり世界ですね。この地球上で世界といわれたら、それを指すものはひとつしかありません。

SF小説の中など、よほど特殊な会話で無い限り「どの世界のことだ?」とはならないはずです。よって自然と the が付きます。

最上級

英語の学習者の中で「どのような状況においても最上級には the が必要だ」と考えている人たちがたまにいますが、それは誤りです。

それをいまから説明します。

The が必要な最上級

比較において、最上級には the が付きます。というより、正しくは「付く場合があります」。

以下のようなケースです。

He is the tallest person in our class.

私たちのクラスで彼が一番背が高い。

「一番」というからには、特定の人を指しているので the を付けます。

The が不必要な最上級

food-in-a-supermarket

the が必須ではない最上級の表現方法があります。

以下のようなケースです。

I buy food where it is cheapest.

私は一番安いところで食料品を買う。

cheapest は cheap の最上級なので the cheapest と言ってしまいそうですが、この場合の the は省略可能です。

以下のケースでは the が必要です。

This is the cheapest food in this store.

これはこのお店で一番安い食料品です。

両者の違いが分かりますか?

文法的な言い方に従うのであれば、it is cheapest の cheapest は「叙述 (じょじゅつ) 形容詞」であり、cheapest food の cheapest は「限定形容詞」です。

後者の限定形容詞においては the が必須ですが、叙述形容詞ではそうではありません。

こういう説明の仕方は個人的にはあまり好きではないので簡単に言ってしまうと、the が必要なのは、最上級である形容詞の後に名詞が続いたときです。

上記の例では the tallest man の man であり、the cheapest food の food です。

the が不必要な最上級というのは、それが必須ではないというだけで付けても問題はないと考えるネイティブの人たちもいるようです。

また付けない場合、文章の意味が若干曖昧になる可能性が出てきます。

つまり以上で挙げた例のように、

I buy food where it is cheapest.

というと、

I buy food where it is very cheap.

という意味でも取れるからです。

ただし特に一番であることを強調する必要性がなければ the は省略しても問題はないでしょう。

The Japanese は一種の差別表現

以下のケースを見てください。

The Japanese work hard.

日本人はよく働く。

この場合の Japanese は集合名詞で複数扱いなので works とはなりません

the を特定の国民の前に付けた場合、それは「全体をひとまとめにして扱う」という意味合いになります。

上記の例は「働き者だ」というポジティブな内容なので、ほめられた感じがしていいですが、では以下のケースはどうでしょう。

They attacked Pearl Harbor without a declaration of war. The Japanese are dirty people.

彼らは宣戦布告せずに真珠湾を攻撃した。日本人は卑怯なやつらだ。

行き違いで宣戦布告前に真珠湾を攻撃してしまったのは歴史的事実です。それに対して卑怯と言われるのも仕方ないかもしれません。

ただしこの場合に The Japanese と言われると不愉快な気分がします。

なぜなら the を付けた場合、「日本人というのは例外なく全てそういう人たちである」という考えが根底にある気がしてならないからです。

日本語では英語で多用するような a や the の概念が薄いため、冠詞に対する感覚に慣れるには多少の時間が必要です。

backpacker

実際に経験のある人もいると思いますが、海外旅行へ行きたまたま入った現地のお店の店員の態度があまりに悪いと、その国全体の印象が悪くなりますね。

つまりその あなたが抱く全体に対する印象が the という単語に結びつく のです。

ただし現地の他の人たちからすれば、

male-thinking
それはその店員個人の問題であって、われわれは外国からの旅行客を歓迎する。

という答えが返ってきそうです。

the にはこのような感情的な意味合いも含むのです。覚えておきましょう。

例文で説明!冠詞 A の簡単な説明とその使い方

author