暇人の英語雑記ブログ

例文で説明!Maybe と Perhaps の違いとその使い分け

2018.06.282016.12.10文法

maybe と perhaps という言葉は両方とも多用されます。

ではその違いはと言うと・・・ケースバイケースです。お互いを入れ替えて使用しても意味に変化が出ない文章もあるでしょう。

これだけで終わらせてしまうとかえって混乱を招くので、もう少し細かい違いを説明したいと思います。

Maybe

maybe の説明をする必要は特にはないと思いますが、「~かもしれない」というのが適切な日本語訳でしょう。

意味合い的には、話し手の確信度が50%程度といったところです。

あまり自信がないときに使用する言葉です。

Perhaps

perhaps という言葉は maybe と比較し独特な響きがありますね。

このような場合、私はその単語の起源を調べることを趣味としています。

Perhaps の起源

Online Etymology Dictionary で調べると、perhaps の語源は以下のように定義されています。

per:
by, through

haps:
chance(s)

中世英語から来ており、その意味は by chance とのことです。

知っている人もいると思いますが、これは英語のイディオムとして存在しています。

「偶然に」や「たまたま」という意味ですね。

これだけを聞くと perhaps は不確実性という観点では maybe と意味的に近いとも言えそうです。

Maybe と Perhaps の違い

では実際のところ両者にはどのような違いがあるのでしょうか。

単純に perhaps のほうが maybe よりフォーマルな場面で使われるとも言われますが、それ以外のアスペクトも見てみましょう。

その状況は合理的か

woman-on-a-bus

以下のケースを見てください。

  • Maybe she took a bus home.
  • Perhaps she took a bus home.

両方ともに「彼女はバスで帰宅したかもしれない」という意味です。

次に以下の2つのセンテンスを用意します。

… but to be honest, I don’t know.

・・・ ですけど、正直言うと分かりません。


… so don’t worry about it.

・・・ だから、心配いりません。

これらを上記の maybe と perhaps の文章につなげる形で使用してみます。

ケース①

Maybe she took a bus home, but to be honest, I don’t know.

彼女はバスで帰宅したかもしれないですけど、正直言うと分かりません。


Perhaps she took a bus home, so don’t worry about it.

彼女はおそらくバスで帰宅したでしょうから、心配いりません。

このように後につながるセンテンスが違うと maybe と perhaps に以下のような違いが出て、同一の意味ではなくなります。

maybe:
~かもしれない

perhaps:
おそらく

では次に後半の文章を交換してみましょう。

ケース②

Maybe she took a bus home, so don’t worry about it.

彼女はバスで帰宅したかもしれないですから、心配いりません。


Perhaps she took a bus home, but to be honest, I don’t know.

彼女はバスで帰宅したかもしれないですけど、正直言うと分かりません。

ケース②では maybe と perhaps ともに「~かもしれない」という同一の意味になりました。

ちなみに maybe 側の文章は日本語訳でも若干の不自然さを感じないですか?

「彼女はバスで帰宅したかもしれない」という不確実な要素が強い事柄に対して「心配いりません」と言われても、「その自信はどこから出てくるの?」と聞き返したくなります。

それとは違い、perhaps 側の文章の日本語訳はケース①の maybe と同じ意味になるだけで不自然さはありません。

結果として以下の結論が導き出されます。

  • maybe の意味は単純に「~かもしれない」
  • perhaps は話し手が合理的だと考える状況に対して使用することがある

ケース①の perhaps では、話し手は「彼女がバスで帰宅した」というのが一番可能性としてあり得ると考えています。

さらに合理的な状況の場合の perhaps の意味は「~かもしれない」から「おそらく」により近くなります。少なからず翻訳をする際は「おそらく」としたほうが、文章のニュアンスが正しく伝わるでしょう。

話をややこしくするようで申し訳ありませんが、ケース②の maybe は文章としては成り立ちますし、そういう言い方もできないことはないです。

ただし全体の意味合い的には perhaps を使用するほうが明らかにふさわしいです。

もう一度改めて言います。

maybe は不確実性のみを表しますが、perhaps はそれとともに合理性も表します

これが「maybe と perhaps の意味は同じにも違うようにも取れる”ケースバイケース”」と初めに述べた理由です。

Perhpasは「できましたら」

subway-station-platform

以下のケースを見てください。

Would you perhaps take me to the station?

できましたら私を駅まで連れて行ってもらえませんか?

perhaps の意味が「できましたら」に変わってしまいました。ずいぶんと雰囲気が変わりましたが、これはいたって自然な英語です。

perhaps の起源を上で述べましたが、覚えているでしょうか。perhaps は by chance(偶然に)なのです。

chance 自体にも「偶然」といった意味がありますが、日本語でチャンスと言ったときのように「好機」や「ちょうどよい機会」といった意味も含みます。

ここらへんに perhaps の微妙なニュアンスが隠されています。言ってしまうと、それこそが「できましたら」という言葉で表現されるのです。

感覚的に理解できると思いますが、「できましたら」という言葉は話し手の「希望」です。つまり「チャンスがあれば」ということですね。

これが日本語で言う「できましたら」という意味につながり、by chance である perhaps という単語で表現されるのです。

ちなみに以下の言い方は不自然です。

Would you maybe take me to the station?

私を駅に連れて行ってもらえるかもしれないですか?

日本語訳を見ればおかしいというのが分かりますが、さらに言うと maybe という単語は文頭か文末に置くのが原則で、以上のように文中に登場するのはふさわしくありません。

思いのほか奥が深い

maybe と perhaps は同じ意味として説明されることが多々ありますが、それは両者の比較の一部の面でしかないということが理解できたでしょうか。

このように考えてみると、思いのほか奥が深いですね。これが言語のおもしろいところです。

実際のところを言うと、ネイティブの人たちもここまでは意識していないでしょう。会話の際には深く考えず perhaps を maybe という同じ意味で使用しているケースも多々あると思います。

ただし考える時間がたっぷりあるライティングにおいては、ここで説明したことを手がかりにすることで今までより洗練された文章が書けるようになるでしょう。

あなたの英語力向上の手助けができたのであれば幸いです!

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