英語を独学でマスターする勉強法を伝授する 『英語達人塾』
日本人にとって英語は難解な言語
英語を極めると口では簡単に言うことはできても、それを実際に達成することは至難の
特に言語体系が英語とはかけ離れている日本語話者である私たち日本人にとってはなおさらでしょう。
スウェーデン人など特定の方々は恐ろしく英語が達者で、普通に会話をしているとネイティブと間違えてしまうほどです。
そのような人たちに出会うとあたかもものすごく頭のいい民族のように勘違いをしてしまいますが、もともと自身の言葉が英語に近く、政策として幼少の頃から英語の環境を国家が意識的に作り上げている国の人たちと比べるのはあまりフェアではないかもしれません。
日本人にとって英語は極めて難解な言語なのです。極端な話、宇宙人の言葉と思ったほうが気休めになりいいでしょう。
そのような事情もあり、英語ができる日本人の絶対数はまだまだ少ないのが現状です。
ただし視野を広げて探してみると日本国内でも、びっくりするほど英語ができる人たちがいます。
いわゆる「英語の達人」ですね。
同じく学習している私たちの立場からすると、一体どのような勉強方法を実践すればそこまで達者になるのか気になることでしょう。
今回紹介する『英語達人塾』はそのような達人のひとりである斎藤兆史氏が自身の勉強法を伝授するという一冊です。
英語の達人になるための勉強法を伝授
英語スキルを向上させるためには、以下の4つのことを意識する必要があることを多くの人は理解しています。
- スピーキング
- リスニング
- リーディング
- ライティング
これらの能力を向上させるには、ものすごく単純に言ってしまえば以下のようになるでしょう。
スピーキング:
英語で会話ができる外国人の友人を作る。リスニング:
英語の会話を聞く。リーディング:
英語で書かれた書籍を読む。ライティング:
英語で書き物のやり取りをする。
ただし独学で勉強するとなったときに多くの人がぶつかる壁が存在します。

という疑問です。
特に「まぐれでもいいから TOEIC で一度は高スコアを」というような中途半端な気持ちではなく、本気で英語に取り組みたいと考えたとき、ある程度の時間がかかることは目に見えています。
そのような場合に、まるで当てにならない勉強法を続けるのはモチベーションという観点から見てもよろしくありません。
どうせ実践するのであれば実際に英語をマスターした先人たちの手法を取り入れるのが一番確実でしょう。
もちろん英語のみならず全てのことについて言えますが、達人級のスキルを取得するということは決して楽な道ではありません。また継続することが大前提となります。
『英語達人塾』においても、著者の斎藤兆史氏は以下のように述べています。
先に僕は、本塾で課せられる作業をすべて実践すれば、日本の大学で英語を教えたり、文学作品の翻訳をする程度の英語力は身につくはずだと書いたが、発展学習を含め、本塾のすべての課題に真面目に取り組んだとしたら、毎日勉強しても10年はかかる。
10年です。
今すぐにでも英語を身に付けたいと考えている人にとってはとても耐えられる年数ではありませんね。
最近書店へ出向くと「2ヶ月で TOEICスコア200点アップ!」というような参考書が目立ちますが、実際本当にそれほどスコアがアップするかどうかは別として、日本人が英語というものを安易に考えすぎている印象があります。
本当にマスターしたいのであれば、最低でも10年くらいの期間は必要だというのは決して大げさな表現ではないでしょう。
本書の内容
本書の項目は以下になります。
まえがき
第1章
入塾心得第2章
音読 新渡戸稲造に学ぶ第3章
素読 長崎通詞に学ぶ第4章
文法解析 斎藤秀三郎に学ぶ第5章
辞書活用法 岩崎民平に学ぶ第6章
暗唱 重原喜重郎と岩崎民平に学ぶ第7章
多読 新渡戸稲造と斎藤秀三郎に学ぶ第8章
丸暗記 西脇順三郎に学ぶ第9章
作文 岡倉天心と西脇順三郎に学ぶ第10章
視聴覚教材活用法第11章
その他の独習法第12章
英語教材の選び方あとがき
見てお分かりのとおり歴史上の人物の名前が頻繁に出てきますが、これは別に不思議なことではありません。一般的に日本人の英語力が高かったとされるのは明治時代やその近辺の時代です。
現代ではありません。
皮肉な話ですね。英語学習という点では現在のほうが圧倒的に恵まれた環境であるにも関わらず、過去の日本人のほうが英語のスキルが高かったのです。
明らかに不利な状況に置かれている彼らが一体どのようにして達人となったのか、その方法は本書に書かれています。
そしてそれが英語の達人となるための真の勉強方法なのです。
この本は「一度でいいから TOEIC で高スコアが取得できればいい」というような人向けではありません。
単純に読み物としてもおもしろいですが、第一に対象とするのはあくまでも英語の能力を達人級と言われるほどに高めたいと真剣考える人たちです。
達人になるには達人に学ぶ!
この考えを本気で実践できる人は一度手にとって読んでみて下さい♪
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