sick puppyは「病気の子犬」?なぜそういう翻訳になる
アメリカのトランプ大統領が金正恩を sick puppy と呼んだことが少し話題になっています(上の動画で18秒あたり)。
時事通信社の記事は以下。
【ワシントン時事】トランプ米大統領は29日、ミズーリ州で行った演説で、大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射に踏み切った北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長を「病気の子犬」とやゆした。
演説は税制改革がテーマ。トランプ氏は、法人税減税を柱とする改革が米経済に「ロケット燃料を供給する」と主張した際、「小さなロケットマン。あいつは病気の子犬だ」と述べた。
トランプ氏は9月の国連総会一般討論演説で、金委員長に関し「ロケットマンは、自身とその体制の自滅に向けて突き進んでいる」と語った。金委員長はそれを受けた声明で、トランプ氏について「おじけづいた犬が大声でほえた」とやり返している。 (2017/11/30-08:22)
sick puppyがなぜ「病気の子犬」になる??
私が翻訳する際に気をつけていることは、話者が伝えたいニュアンスをつかむこと。
「病気の子犬」からは、「病弱で弱り果てたかわいそうなワンコ」というイメージしか湧かないですね。トランプ大統領がそのような意味合いで言ったとはとても思えません。
彼が伝えたかったことは「頭がおかしく正常な判断ができない若者」ということでしょう。puppy(子犬)は若者の蔑称です。
だったらそこは「病んだ若造」と訳すべき。
ちなみに読売新聞社の記事では「いかれた若造」となっています。こちらのほうがしっくりきますね。