暇人の英語雑記ブログ

ベルルスコーニ元首相のオバマ日焼け発言からみる英語とイタリア語の類似性

2018.06.282016.12.18コラム

世界一空気を読まない政治家

berlusconi

ベルルスコーニ氏という方は、わざと狙っているのではと思わせるくらい失言や問題行動の多い政治家です。

上の画像では右手を使い、なんだが怪しげなポーズをとっていますね。これは彼が首相と外務大臣を兼任していた頃、欧州外相会談での記念撮影時の一幕です。

この右手のサインは前列に立っている男性の頭からちょうど角が生えているように見せかけるためのものです。

これが欧州の人たちにはデビルの角のように映るわけですが、悪魔的な意味を持つというわけではなく、一般的には「妻を別の男性に寝取られた夫」という意味を持ちます。

これを英語では cuckold と言います。

つまり前列の男性に対するからかいや一種のウケ狙いのような仕草で、イタリア人は皆その意味を理解しています。このときはスペインの外務大臣が前列にいたので、その方に対するイタズラとなります。

このようなことを世界が注目する公式の場で平然としてしまうところが、彼のすごいところです。

ちなみに cuckold という言葉は非常に滑稽 (こっけい) な響きがあり、この話をアメリカ人などにするとたいていの場合笑ってくれます。

オバマ日焼け発言

ベルルスコーニ氏が首相時代にしたオバマ日焼け発言は日本でも報道されましたが、その映像をイタリア語字幕付きで見たときに「英語に似ているな」と率直に思いました。

上の動画で確認できますが、彼が言った「(オバマ氏は) 若くハンサムで日焼けまでしている」という発言の3つの単語をイタリア語で抜粋すると以下のようになります。

giovane : 若い

bello : ハンサムな

abbronzato : 日焼けした

これを The Guardian の報道に沿う形で、英語に対応させると以下のようになります。

giovane : young

bello : handsome

abbronzato : tanned

male-thinking
全く似ていないじゃないか。

と思いましたか?

いえ、これが似ているのです。ひとつずつ説明していきます。

giovane

giovane は「若い」という意味のイタリア語です。

英語の young とどこが似ているのかと思われるかもしれないですが、「若い」という単語は決して young だけではありません。

juvenile があります。

Online Etymology Dictionary で確認すると、以下のような記述があります。

1620s, “young, youthful,” from Latin iuvenilis “of or belonging to youth, youthful,” from iuvenis …

ラテン語の iuvenilis (iuvenis) に由来するとのことです。

次に giovane を Wiktionary で確認すると、以下のような説明文が出てきます。

Etymology
From Latin iuvenis …

ラテン語の iuvenis に由来するとのことです。

もう分かりましたか?

つまり giovane と juvenile は同じ起源の言葉なのです。

giovane の発音は「ジョーバネィ」といった感じです。juvenile の発音は「ジューバノゥ」です。

スペルは全然違いますが、発音はどことなく似ていると思いませんか?

bello

bello は The Guardian の英語訳では handsome となっていますが、日本語訳では「美しい」という意味のイタリア語です。

つまり beautiful ですね。

さっそく Online Etymology Dictionary で beauty 確認すると、以下のような記述があります。

“state of being handsome,” from Latin bellus …

ラテン語の bellus に由来するとのことです。

この時点ですでにイタリア語の bello に似ていますが、一応 bello も調べてみましょう。

bello を Wiktionary で確認したのが以下です。

Etymology
From the Latin bellus.

ラテン語の bellus に由来します。

つまり bello と beautiful は同じ起源の言葉なのですね。

bello の発音は「ベーロ」といった感じです。beautiful の発音はあなたも知っているとおり、「ビューティフル」です。

ほんの少しだけ同じ響きを感じますが、人によっては全く別のものに聞こえるかもしれません。

abbronzato

abbronzato は「日焼けした」という意味のイタリア語です。

male-thinking
なぜこれが日焼けなのか。

と思われた方は、目を凝らしてください。何か見えてこないですか?

答えを言ってしまうと bronze という英単語が隠れています。

bronze は名詞で「青銅 (ブロンズ)」ですが、動詞では「日に焼ける」という意味を持ちます。

そのままですね。

abbronzato の発音は「アブロンザート」といった感じです。bronze の発音は言うまでもありませんが、「ブローンズ」です。

そっくりですね。

語源が同じなのはうらやましい

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どうでしたでしょうか?

ベルルスコーニ氏のオバマ日焼け発言でのイタリア語のセリフから、英語との類似性を見てみました。

率直に言わせてもらうと、語源が同じなのは本当にうらやましい限りです。イタリアの方々はヨーロッパ全体で見ると、決して英語が達者な部類の人たちではありません。

しかし母国語の語源が同じというだけで、英語を学習する負担は日本人の私たちよりはるかに少ないはずです。

ただし日本人にとって英語が難易度の高い言語であるゆえのメリットもあります。

それは国民全体からすると、英語ができる日本人の絶対数がまだまだ少ないので、スキルとして取得すると社会の中での活躍の場が広がるのです。

明るい未来を見据え、これからも英語の学習に励みましょう!

英語ができても国際人ではないが、こんなことで得をする

参考リンク

以下が参考にしたリンクです。

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