共産主義とは?超簡単に説明するとこうなる
共産主義の概念は決して難しくありません。むしろ難しかったら、様々な国に波及するような全世界的な流れを作れなかったでしょう。
こういう言い方は失礼ですが、おおよそ学のない労働者階級の人たちが支持した思想ですよ!難しいわけがありません。
では超簡単に説明していきたいと思います。
Contents
ブラック企業の体質を改善したい
昨今ブラック企業というのがよく話題になりますが、あなたはそういった組織で働きたいですか?
もちろん嫌ですよね。
ただし「労働者の待遇改善を!」という声が連日メディアを賑わすということもありません。
当たり前です。多くの企業が週休2日制ですし、衣食住にお金をつぎ込んでも多少は貯金できるくらいの給料はもらえます。
誰でも勤務先の会社に対して不満はあれど、会社自体を破壊してしまいたいとまで考えている従業員はそうはいないと思います。
ただし共産主義思想が台頭してきた19世紀半ばは、そういった従業員が山のようにいました。ブラック過ぎる企業体質を改善したいという不満がたまっていたのです。
社長を打倒して会社を乗っ取ろう(笑)
19世紀半ばの労働者の待遇の悪さは現代の比ではありません。
毎日13時間、14時間、場合によってはそれ以上働き、休みは週に1日だけです。
残業という概念は存在しません。13、14時間というのが、通常の就業時間なのです。
給料がたくさんもらえて結構なことだと思っていませんか?
違います。支払われる賃金は生活するのにやっとという金額です。
しかし長時間労働で生産したものと、それによって築いた資産があるはずです。誰が保持しているのでしょうか?
経営者です。つまりは社長です。このようなお金持ちの人たちを共産主義の概念では通常「資本家」と言います。
格差社会という言葉は現在でも耳にしますが、当時の資産家と労働者の格差は現代とは比べ物にならないような常軌を逸したレベルだったのです。
どうですか?会社をぶっ潰したくなりませんか?笑
ただし作業するための設備がすでに存在する会社自体を破壊するのはもったいないので、社長を打倒して従業員(労働者)が皆で協力してその会社を運営したいですよね。
そうすれば会社の資産を全員で平等に管理することができるので、会社の利益を社長だけが独り占めというわけにはいかなくなります。
つまり皆で協力して、共に利益を産むのです。
共産主義の始まりです。
労働条件の悪さは社会制度に根ざしする
考えてみたら当たり前ですが、むちゃくちゃな労働条件を許容していた社会制度そのものがおかしいですよね。
では会社を乗っ取るなんてスケールの小さいことを述べるのはやめて、社会全体を乗っ取っちゃいましょう(笑)
これこそが「共産主義革命」です。
革命の定義は社会階級の転換
革命とは社会階級を反転させることです。
日本に住んでいるとほとんど意識しないですが、どこの国でも社会階級は存在します。
辞書的な定義で言ってしまうと、王族(天皇家)以外はどれだけお金持ちであろうが皆一般庶民です。これが日本における社会階級です。
インドなどはもっと極端です。
この国にはカースト制度が存在し、身分によって就ける職業にも制限があるほどです。
上から列挙すると、バラモン(司祭階級)、クシャトリヤ(王族・武士階級)、ヴァイシャ(庶民階級)、シュードラ(奴隷階級)ですが、仮に社会制度に不満を抱くシュードラが上位階級を打倒し、その階級が反転するようなことがあるとします。
例えばバラモンがシュードラの召使になってしまうような状況です。
これこそが革命です。

近年の例で言うと小泉政権時の郵政民営化は公務員という地位を剥奪された人たちが多数存在したので、革命とまでは言えないまでもまさしく改革です。
最近の政治家の方たちは口を開けば「改革」と叫びますが、掛け声のみで終わるのではなく社会制度を根本から変えてしまうくらいの政策を推し進めてもらいたいですね。
共産主義を理解しないと近代史が理解できない
共産主義を超が付くほど簡単に説明してみました。どうでしたでしょうか?
理解してもらえたのであれば幸いです。
共産主義の概念を知らないと近代史や、それに続く現代の政治で分からないことが出てきます。
新聞を読んでいても理解できない記事があるはずです。
ソビエト連邦とは?
ポルポト派とは?
北朝鮮とは?
あさま山荘事件とは?
これらは全て共産主義という思想と密接な関係性があります。
それは続編で述べたいと思います。
続編:共産主義とは?現代の社会情勢とともに簡単に説明してみる
説明が物足りないと感じた方へ
いくらなんでも単純過ぎましたか?
もう少し詳しく知りたいという方には『池上彰の講義の時間 高校生からわかる「資本論」』をオススメします。
さすがは池上彰さん。共産主義の聖典である「資本論」を本当に分かりやすく説明しています。
資本論自体を呼んでみたいという方は『資本論 (1)』がいいでしょう。
ただしオススメはしません。。
国民文庫訳は読みやすいとの評がありますが、資本論自体は難解な書です。チャレンジするのは個人の自由ですが、自己責任ということでお願いします。