暇人の英語雑記ブログ

サイバー空間における現実を教えてくれる洋書 『Future Crimes』

2018.05.302016.12.24洋書

Facebook が生み出す莫大な利益

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Facebook は登録無料のアプリなのに、一体どうやって莫大な利益を上げているのだろう?

あなたはこのような疑問を感じたことがありませんか?

代表であるマーク・ザッカーバーグ氏はフォーブスが発表する2016年の世界長者番付において6位という驚異的なランキングに位置しています。

尋常ではないお金持ちですね。

もちろん彼が手がけるのは Facebook のみではありませんが、それだけに焦点を当てても2015年通期の売上げは179億2800万ドル、純利益は65億1800万ドルと、かなりの売り上げです。

その莫大な利益は一体どこから来るのでしょうか?

商品は Facebook ではなくあなた自身

Facebook には多くのスポンサーリンクが付いています。

収益の多くはそのような広告を掲載することにより発生する料金だと考えている人たちが多いですが、それが全てではありません。

ではその他の方法で、どのようにお金儲けをしているのでしょうか。

答えを言ってしまうと、あなたの個人情報を広告会社に商品として販売することにより多大な利益を上げているのです。

まさか?と思われるかもしれませんが、本当の話です。

あなたは Facebookの利用規約を読んだことがありますか?

英語では Terms of Service、略して TOS と言いますが、以下に2016年12月時点のものの一部を抜粋します。

For content that is covered by intellectual property rights, like photos and videos (IP content), you specifically give us the following permission, subject to your privacy and application settings: you grant us a non-exclusive, transferable, sub-licensable, royalty-free, worldwide license to use any IP content that you post on or in connection with Facebook (IP License). This IP License ends when you delete your IP content or your account unless your content has been shared with others, and they have not deleted it.

簡単に言うと Facebook に登録するということは、あなたが投稿したメッセージ、写真、ビデオやその他の情報を包括的に扱える権利を Facebook 側に与えるということを意味しています。

あなたが投稿したものを削除したとしても、他の人にすでにシャアされている場合はその権利は続くとも記述されています。

TOS に同意することはそのアプリケーションを使用する大前提ですので、Facebook を使用している以上あなたは自身の情報が仮に第3者に販売されるようなことがあっても文句は言えません。

Facebook は訴えられている

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Facebook は過去に集団訴訟を起こされています。

理由はプライベートに設定しているメッセージを定期的にスキャンしたり、こちらもプライベートとして設定しているデータに対してユーザが行った「いいね」という行動を全てデータとして登録しており、それがプライバシーの侵害に当たるということです。

このように積み上げられた大量のデータを元に、あなたの嗜好 (しこう) を分析することで「見込み客」としてあなたの情報が広告会社に重宝されるという仕組みです。

これだけではなく、スマートフォンに搭載されている GPS 機能を使い、あなたの行動パターンやまたは友達リストに登録されている友人関係など様々な情報を元に、かなり精度の高いプロファイリングがあなたに対して行われているということは知っておいたほうがいいでしょう。

それでも Facebook は使用したい

実際問題 Facebook は使用したいです。まわりの友人の多くが登録しているのであれば、なおさらでしょう。

率直に言うと、使用すればいいと思います。

ただしあなたが Facebook 上に投稿したものは設定がどうであれ基本的に全てが分析され、第3者に流れているということを前提にしなくてはいけません。

あなたの情報だけが分析されているというのであれば大問題ですが、実際には全てのユーザのデータが同様にやり取りされているので気にするような問題でもないかもしれせん。

画像:Facebook

実際にマーク・ザッカーバーグ自身が「プライバシーはもはや社会的規範ではない」という発言を過去にしています。

悪意があるのではなく、単に「多くの人は情報をシャアすることに慣れている」ということを言いたいのでしょう。現代ではプライバシーなど気にしていたらインターネットなど初めから利用しないほうが懸命でしょう。

Facebook に焦点を当てましたが、Google なども同様にあなたのデータを商品として扱っています。

Googleマップ、Googleドライブ、Gmail などの優れたアプリを無料で使用できる時点で怪しいと思わなかったですか?

それらの情報は全て Google の巨大サーバに登録され、あなたに対するプロファイリングに使用されているのです。

サイバー空間における現実

現代のサイバー空間における現実について、更に深く知りたい方には『Future Crimes』をおすすめします。

Facebook やその他サービスを利用するに当たっては、あなた自身が利用規約に同意しているので crime(犯罪)と言うのは適切ではありませんが、この本ではそういったサイバー空間における様々な問題点を細かく説明しています。

ページ数が600以上となかなかの大作ですが、文体自体は非常に簡潔で読みやすいのが特徴的です。

序章に以下のような警告文が書かれています。

A friendly warning: if you proceed in reading the pages that follow, you will never look at your car, smart phone, or vacuum cleaner the same way again.

警告:もしあなたが後に続くページを読み進めるのであれば、あなたは二度とあなたの車、スマートフォンや電気掃除機を同じ目線で見れなくなるでしょう。

普段誰も教えてくれないサイバー空間の真実を知りたいのであれば、ぜひ一度手にとって読んでみてください。

おすすめの一冊です♪

英検1級を目指すのであればこの洋書は読んでもらいたい

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