ネイティブが感じる不自然な英語を指摘する書籍 『日本人の英語』

日本人の英語は不自然
「鶴は双眼鏡 で 観察された」という文章を英語にするときに、

とは言わずに、

と言う。
なぜだか分かりますか?
マーク・ピーターセン氏はその違いを著書『日本人の英語』の中で分かりやすく説明しています。

答えを言ってしまうと、by binoculars ではまるで双眼鏡自身に自由意志があり、「それそのものが見ている」という変な意味になってしまうからです。
英語ネイティブではない私たち日本人には欠けている感覚ですね。
また車に乗ることは、

と言うのに、電車に乗るときは、

と言う。
これにも「意識の問題が関係している」と本の中で説明しています。
こちらも答えを明かすと、”in 乗り物”は運転手と乗客がお互いに認識し合っているときに使用する言い方です。
タクシーは in a taxi です。これはドライバーと客の間で相互の関係ができているので in なのです。
ただし電車や飛行機などは運転側と乗客側にコンタクトが無い状態なので、それぞれ on a train、on a plane となるのです。
非常に明快で分かりやすいですね。
『日本人の英語』はこのように読んでいてハッとさせられる説明が豊富で、ページをめくるのが楽しくなる一冊です。
『日本人の英語』を読んだ率直な感想

私がこの本を手に取ったのは英検1級が合格した後です。
なにやらとてもつもなく売れている英語関連の書籍があるという話はそれ以前から聞いていたので、実際に購入してみたのです。
なるほど、これはおもしろい。。
日本人が書いた無味乾燥とした文法書籍ではなく、生きた英語を理解しているネイティブが私たち日本人の英語のおかしさを指摘してくれるのです。
本の冒頭に可算名詞と不可算名詞の話が出てきます。
- Last night, I ate chicken in the backyard.
- Last night, I ate a chicken in the backyard.
「昨日の夜、裏庭で鶏肉を食べた」という文章です。

① は全く問題ありません。「昨日の夜、裏庭で鶏肉を食べた」です。
皆さんで楽しく裏庭で BBQ などしている、なごやかなイメージが浮かびます。

② は大問題です。chicken の前に a と冠詞を付けてしまうと、「鶏肉」ではなく「一羽の鳥」という意味になってしまうからです。
著者であるマーク・ピーターセン氏いわく、「I ate a chicken」ではまるで、
夜がふけて暗くなってきた裏庭で、血と羽だらけの口元に微笑を浮かべながら、ふくらんだ腹を満足そうに撫でている・・
出典:『日本人の英語』
という風景を連想させるとのことです。
これは問題がありますね。日本語には冠詞という概念が薄いため、私たち日本人はこのような奇妙な英語を使う傾向があるのです。
ちなみにこの話をシカゴ出身の友人にしたところ、彼は笑いながら「考えたことなかったけど、たしかにその通りだ」と言っていました。
文法書をめくるのはいいですが、SVO型や第N文型などをいくら頭に詰め込んだところで、それは本当の意味で英語を理解したことにはなりません。
なによりも「英語が持つニュアンスをつかむことが大切」です。
そのことを教えてくれた一冊です。
『日本人の英語』は皆さん一度は読んでいる
『日本人の英語』は英語関連の書籍では「超」が付くほどの大ベストセラー作品です。

長年英語学習にかかわっている人であれば、誰もが一度は読んだことのある名作です。
あなたはまだ読んだことがない?
では一度手にとって見てください。新書ということもあり、200ページ足らずで手軽に読むことができるというのもメリットです♪
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