例文で説明!あまり知られていない Will と Shall の違いとその使い分け
助動詞 will の意味自体は英語学習者であれば誰もが理解していると思いますが、ここではあまり知られていない shall との違いに焦点を当てて説明します。
両者ともに未来を表すときに使用されますが、そこには多くの人たちが気づいていない大きな相違点があります。
Will と Shall の違い
will を使用したセンテンスをいくらか例として挙げてみます。
- I will go to school.
- The dog will come and bite you.
- We will get on the train.
- She will be OK.
どうでしょうか?
違和感を覚えるというのであれば、あなたの文法に対してのこだわりは相当なものです。
ほとんど知られていませんが、伝統的なイギリス英語において will は二人称と三人称にしか使用できません。
つまり you、he、she、it、they のためのものです。
よって①と③は文法的には誤りであり、本来は以下のように記述されなければいけません。
- I shall go to school.
- The dog will come and bite you.
- We shall get on the train.
- She will be OK.
おそらく日本における英語教育では習わないのではないでしょうか。
未来を表すときは I’ll go to school などと省略されることが多いので、次第にあまり will と shall の違いを気にしなくなってしまったのかもしれません。
強い意志表示では使用方法が逆になる
ただし、「なにかをする」もしくは「しなくてはならない」という強い意志や、義務的な意味合いが
以下のようなケースです。
I will not forgive such a person.
そのような人は決して許さない。
He shall go see the doctor.
彼は医者に見てもらう必要がある。
この逆転現象も伝統的なイギリス英語のしきたりのようなものです。
ただしひとくちに「イギリス英語」と言っても、スコットランドとアイルランドでは人称に関係なく will が使用される傾向にあります。
アメリカに限って言えば、ほとんどのケースで will が使われます。
Shall の使い道
では shall はどのような場合に使用されることが多いのでしょうか。
答えを言ってしまうと、非常にかしこまったフォーマルな場面です。よって法律を扱うような書類で登場するケースが多々あります。
ただし法律家自身が shall の用法を間違えるような事例も出始めていて、法曹界においても使用頻度が少しずつ低下しているといった話も伝わってきています。
どのみち日常会話において未来を表現するときは will で統一してしまったほうが無難でしょう。
「日本における英語教育では習わない」と上で述べましたが、混乱を避けるためにもそもそも教えないほうがいいかもしれません。
今回の話は、ちょっとした小ネタとして